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「100年の常識」をくつがえす

2014年06月27日

 IT技術は「100年の常識」をいとも簡単に革新していく――先週、東京・汐留で開催しましたCNET Japan Live 2014 Summerで、その思いを新たにしました。

 Live中の1セッション「入力・操作の未来-IoT時代の電子機器とのコミュニケーション」をめぐるパネルディスカッションで、トビー・テクノロジー社の蜂巣健一社長から「アイトラッキング」技術の説明をお聞きし、セッションの本筋からはやや外れますが、自らの衝撃的な体験を思い出しました。

 「アイトラッキング」で人間の視線をたどることによって、たとえば商品陳列や広告、サイトのデザインなどをより効果的に改善するなど、さまざまな活用が広がっています。

 10年ほど前、私は新聞紙面の編集者をしていました。ある大学の研究室の協力を得て、新聞の読者が実際にどのように紙面を読んでいるのか、視線をたどってみるという実験をしました。いわばアイトラッキングの「草分け」的な試みです。

 新聞の紙面レイアウトには、明治以来100年以上続いた「常識」がいろいろありました。紙面の右上がトップニュース、記事の重要な要素は「前文(リード)」として本文の前に別立てで扱う、などなどです。専門的になりすぎるので詳しいことは省きます。

 読者は、必ずしも編集者が思っているような順番で記事を読んでいませんでした。「前文(リード)」を読み飛ばして、いきなり本文から読み始める読者もいました。これまでの「常識」は次々にくつがえされ、新聞のレイアウトをよりシンプルにわかりやすくするための見直し作業に取り組むきっかけになりました。

 IT技術を駆使した実践的なデータ分析は、改革を迫る説得力があります。うまく生かせれば、より良い商品やサービスを生み出す原動力になります。今回のLive会場には、そのような取り組みを続けている方たちの熱気があふれていたと思います。


 CNET Japan Live 2014 Summerは、ご参加、ご協力をいただいたすべてのみなさまのおかげで、すばらしいイベントになりました。心からお礼申し上げます。ありがとうございました。CNET Japanで基調講演やディスカッションの内容をお伝えしています。次回は今秋に予定しています。(相楽)

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