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「面倒くさい」との闘い

2016年07月15日

 「ZDNet Japan × TechRepublic Japan 情報漏えい対策セミナー」を7月13日に開催しました。

 情報セキュリティ関連のセミナーを開催した際に、いつも印象に残るのは、参加者の方がたいへん熱心で、真剣にメモをとられている方が少なくないことです。

 昨年の日本年金機構の個人情報流出以降も大規模な情報漏えい事件は後を絶ちません。

 IT部門の情報セキュリティ担当者の方々は、標的型攻撃の手口の巧妙化に対して、神経をピリピリとつかっているのだろうということが伝わってきます。

 講演をいただいた方は、情報漏えいを100%防ぐことはできないということを前提にした対策の必要性をそれぞれ強調されていました。

 デジタルアーツ株式会社の龍野智幸エンタープライズ・プロダクト・マーケティング部担当部長からは、流出先まで追いかけてファイルを消去してしまうことができるという製品を紹介していただきました。

 私もファイルを添付したメールを誤送信した苦い経験があります。ファイルの暗号化などから、さらに漏えい対策は進んでいるのですね。

 龍野氏は製品紹介の中で、ユーザーに手間をかけさせない「自動化」機能を強調されていました。

 東京大学大学院情報理工学系研究科ソーシャルICT研究センターの山口利恵特任准教授からは、次世代の個人認証技術の研究・開発として、「ライフスタイル認証」いう新たな手法の実証実験を5万人という大規模な対象者を集めて実施するという取り組みのご紹介をいただきました。発想の斬新さにたいへん感心しました。

 山口氏は、セキュリティレベルの高い認証技術の導入に、利便性を求めるユーザーの壁があることに触れられていました。

 「自動化」「ユーザーの利便性」…。情報漏えい対策では、ユーザーの「危険性をわかってはいるけど面倒くさい」という心理も手ごわい相手なのですね。

 担当者の方々の日々のご苦労のほどが、よくわかります。 (相楽)

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