映画とテクノロジー
2016年09月26日
黒澤明監督の「生きる」の4Kデジタルリマスター版を見ました。
60年以上前の映画のフィルムから、映像を上映当時の鮮明さによみがえらせただけでなく、古いフィルムから音声も読み取る光学システムを使って、音響をよみがえらせているそうです。
主演の志村喬が、公園のブランコに乗って、「ゴンドラの唄」を口ずさむシーンが有名ですが、リマスターされた歌声が心にしみました。
映画を支えるテクノロジーという点では、「シン・ゴジラ」のフルCGで創造されたゴジラの迫力に感心しました。
この映画については、CNET Japanに掲載している「『シン・ゴジラ』最大の課題は、総監督『庵野秀明』のこだわり--制作裏話を聞いた」という大型インタビュー記事が、たいへん興味深い内容を伝えています。
ビジュアルエフェクト(VFX)のテクノロジーやさまざまな情報共有ツールを駆使して、大勢のスタッフが大プロジェクトに挑み、成功に導いています。スクリーンで見ただけではわからない、まさに「裏話」です。
映画の世界でも、テクノロジーの進歩が、新しい価値を次々に生み出しています。同時に、失わせてはならない過去の価値をよみがえらせて後世に守り伝えるという役割も果たしているのですね。
最近の映画鑑賞で、そんなことを考えました。
個人的には、10月に上映される「七人の侍」のデジタルリマスター版が待ち遠しいです。 (相楽)